Boomerang

英語で読む ハリーポッターとアズカバンの囚人 第19章-2「巨大ブーメラン!?」

ルーピンを魔法で縛り上げ、眉間にまっすぐ杖を突きつけてくるスネイプ。

それに対して、ブーメランが刺さるぞと警告するシリウス・ブラック( ̄◇ ̄;)

その警告に使われているのは The joke’s on you という表現です。

復讐は蜜より甘い

Vengeance is very sweet,’ Snape breathed at Black. ‘How I hoped I would be the one to catch you …’
Harry Potter and the Prisoner of Azkaban, P.264 Lines -15 to -14

ルーピンを魔法で縛り上げ、ブラックの眉間にまっすぐ杖を突きつけるスネイプ。

とうとう積年の恨みを晴らすときが・・・

Vengeance: 復讐?仇討ち?

日本のネットでは、

  • revenge は個人的な復讐
  • vengeance は自分以外の被害者のための復讐 = 仇討ち

という割り切り説明が転がってたりしますが、実のところ両者に大差はないぽいです。
What is the difference between revenge and vengeance?

が、結局ここでの vengeance は「仇討ち 」ではないかと。

スネイプにしてみれば、学生時代のイジメに対する個人的な復讐もあります。

しかし、なんといってもリリーを死に追いやった犯人(スネイプはこの時点ではブラックが犯人だと信じている)への仇討ちに勝るものはないハズなので。

#ネタバレ、サーセン(・・;)

ブーメランが刺さるぞ!

The joke’s on you again, Severus,’ Black snarled. ‘As long as this boy brings his rat up to the castle’ – he jerked his head at Ron – ‘I’ll come quietly …’
Harry Potter and the Prisoner of Azkaban, P.264 Lines -13 to -11

「復讐は蜜より甘い」というスネイプに、ブラックがやり返すところ。

again がつくあたり、過去の確執を連想させますね。

The joke’s on you

The joke’s on  は「〈人への画策・悪ふざけ〉が自分の身に返ってくる」という意味。

今風にいうと、ブーメラン?

参考:
joke is on you はどういう意味ですか? | HiNative

これがなぜだか日本語版ハリポタでは「お生憎だな」という訳に…。

日本語版ハリポタ

少し長くなりますが、前後を含めて引用します。

「復讐は蜜より甘い」スネイプが囁くようにブラックに言った。「おまえを捕まえるのが我輩であったらと、どんなに願ったことか・・・」
お生憎だな」ブラックが憎々しげに言った。「しかしだ、この子がそのネズミを城まで連れていくなら -」ブラックはロンを顎で指した。「-それならわたしはおとなしくついて行くがね・・・」
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人, P.466

スネイプは今、この場を支配している(蜜より甘い復讐を味わっている)わけで、「お生憎」=「思い通りにいかず残念だったな」というブラックのセリフは、状況にそぐわないのではないかと(-ω-)

拙訳

というわけで、気になるブラックのセリフを警告調に変えて訳してみます。

また墓穴を掘ることになるぞ、スネイプ」ブラックが憎々しげに言った。「この子がそのネズミを城まで連れていくというのなら -」ブラックはロンを顎で指した。「-おとなしくついて行こうじゃないか・・・」

ブラックは城まで行き、しかるべき人たちの前で ネズミ(スキャバーズ) の正体を暴きさえすれば身の潔白を証明できると信じています。

だからこそ ‘The joke’s on you again, Severus’ というブーメラン発言をしているのだと思います。

そう考えると、この後スネイプが「柳の木を出たらすぐにディメンターを呼ぶ」といったときのブラックの焦りよう、

そしてブラックの、

‘You – you’ve got to hear me out,’ he croaked. ‘The rat – look at the rat -‘
Harry Potter and the Prisoner of Azkaban, P.264 Lines -5, -4

「最後までわたしの言うことを聞け、ネズミを見ろ」という必死の発言も、納得ですね!