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英語で読む ハリーポッターと秘密の部屋 第16章-4「うらなり瓢箪」

weak-chinned が「ひょうたん」になるとは、原作者は思いも及びますまい。

ロックハートはもはやこれっぽっちもハンサムには見えなかった

He didn’t look remotely handsome any more.
Harry Potter and the Chamber of Secrets, P.218

日頃の舌禍から怪物退治に駆り出されるハメになり、顔面蒼白のロックハート。

remotely は「遠く離れて」「関係が薄く」。

しかし主に否定文で、「ほんのわずかも」「これっぽっちも」(~ない)という意味があります。

ロックハートからいつものニカッとした笑いが消え、唇がワナワナと震えている。まるで弱々しくて無様だった

His lip was trembling, and in the absence of his usually toothy grin, he looked weak-chinned and weedy.
Harry Potter and the Chamber of Secrets, P.218

weak chin は「小さな顎」「引っ込んだ顎」。性格の弱さのあらわれとされることがあります。

weak-chinned
having a very small chin, sometimes thought of as a sign of a weak character
weak-chinned Definition in the Cambridge English Dictionary

同じく顎つながりで、grass jaw 「ガラスの顎」という表現もありますね。こちらはボクシング・格闘技の世界で打たれ弱いことを指します。

weedy は「ひょろひょろした」「ぶかっこうな」。
weedy が主にイギリス英語だという記述は特に見当たらなかったのですが、US版では feeble 「弱い」「衰弱した」に変更されていました。

うらなり瓢箪

ところで日本語版ハリポタですが、weak-chinned の訳が特徴的なので引用を。

唇はワナワナ震え、歯を輝かせたいつものニッコリが消えた顔は、うらなり瓢箪のようだった。
ハリー・ポッターと秘密の部屋, P.433

うらなり瓢箪・・・。若い人に通じるのだろうかと心配しつつ、私は「青びょうたん」を想起しましたが、実は同義語だったんですね。。。

青瓢箪とは成熟していない瓢箪のことで、細長く、色が青いことから痩せて顔色が悪い人の比喩として江戸時代から使われている。青瓢箪は主にそういった人を嘲ったり、軽蔑の意を込めて使われる言葉であり、「あの人、青瓢箪でかわいそう」といった使い方はしない。
同義語に『末成りの瓢箪(うらなりのひょうたん)』やこれを略した『末成り(うらなり)』という言葉もある。「末成り」という文字の通り、未成熟の瓢箪のことで青瓢箪と同じ意味になる。
青瓢箪 – 日本語俗語辞書

うらなりといえば・・・

「うらなり」という言葉、どこかひっかかるなぁと思ったら、夏目漱石の『坊ちゃん』に出てくる英語教師のあだ名でした!

どうりで昭和を感じる言葉だなぁと勝手にひとりごちつつ、一応調べてみたら『坊っちゃん』は昭和じゃなくて明治39年(1906年)の作品。。。

はは、そんなに古かったのか。